身近な人を支える、靜かだけれど確かな力
朝、ニュースで本作が「キネマ旬報2024年 日本映画 第1位」になり、主演の松村北斗さんが主演男優賞を受賞したことを知りました。仕事を終えて、夕食を終えて、リラックスしながらNetflixで視聴。
この映画に登場する人は、誰しもが生きづらさを抱えながら、日々の暮らしを営んでいて、お互いが半径10メートルの中にいる仲間たちを、さりげなく気遣い静かに支え合っています。季節や時間の移ろいを示す映像は薄い輝きが美しく、夜明け前の光を想起させました。この上ない幸福感を覚えます。
主演男優賞の先入観バリバリで山添くんを演じた松村北斗さんを見続けましたが、演技しているようにはまるでみえなくて、素の松村北斗さんは、きっとあんな感じなのではと想像してしまうほどです。パニック障害の山添くんが、物語が進むにつれて少しずつ変化していく表情、声、洋服、ことば・・・何もかもが自然でした。山添くんと藤沢さん（上白石萌音さん）が尽力した栗田科学のプラネタリウムお披露目会のシーンは、やさしさと温かさがぎゅっと詰まっていて、夜明けを信じる力が湧いてきます。
何度も観直すに違いない靜かな名作でした。瀬尾まいこさんの原作を読んでみます。
監督；三宅 唱 脚本；和田清人
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